第30章

葵はファイルを共有ドライブにアップロードした。

「今夜、第六ラウンドを回す。明日の午前中には結果が出る」

「了解です」

春はノートパソコンを抱えて立ち去った。

葵は再びコードを書き始めた。

午後六時半、法務から投資契約書の初稿が送られてきた。葵は条項を一つずつ精査し、七箇所の言い回しを修正した。悪用されかねない曖昧な条項を一つ削り、希薄化防止条項には敵対的買収に対する保護メカニズムを一つ追加する。修正を終えて返送した直後、スマホが震えた。和也からのメッセージだった。

『今日、ロードショーがあったそうだな』

葵はそのメッセージを一瞥しただけで、返信はしなかった。

再びスマホが震...

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